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漢方薬の知識

漢方薬の資料や知識を整理。 「漢方」は中国ではなく日本が作った医学だった。

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風邪の漢方薬

風邪の漢方薬

風邪の漢方薬といえば「風邪に葛根湯(かっこんとう)」が有名ですが,
その他の漢方薬で、風邪によく使う漢方薬は、
香蘇散麻黄附子細辛湯小青竜湯麦門冬湯桔梗湯,があります。。


香蘇散(こうそさん)

この薬は漢方の世界では「気剤」と呼ばれるグループに属します。
「気をめぐらす」と説明されますが,軽い不安や抑うつを解消する。
漢方の精神安定剤的な漢方薬です。
そんなものが風邪に効くのも不思議に思えますが,風邪の初期にはよく効きます。
「かかったかな」と思った時に、この薬香蘇散(こうそさん)を、
1日4回(朝・昼・夕・眠前)くらいのむと,すっきり回復することが多いです。

どうして効くんでしょうか?

一つ言えるのは,
気持ちが静まってゆったり休める,
眠前にのめばよく眠れる。
風邪には休息が最良の薬です。

もう一つは,何と医学の最先端の話題につながるのです。
心と免疫力の関係です。
心の状態が良くなると免疫力が高まる,昔から何となく気づかれていたことですが,最近いろんな研究で裏付けられています。

風邪のひき始めに免疫力を高めることで,ひどくならないうちに治してしまう。
免疫力を高めるなら予防に使えないか?そういう意見もあります。
風邪をひきやすい人は秋から冬にかけて,1日1包くらい毎日服用しておくと風邪を引きにくくなる。


麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)

これは風邪をこじらせた時,体がだるく,寒気がして,喉や関節が痛く,
咳や鼻水もそこそこにある,全体として元気がなくてぐったり,こんな時に使います。
体を暖める働きがあるので,気持ち良い汗をかいてすっきり治ることもあります。


香蘇散と麻黄附子細辛湯はいうなれば「総合感冒薬」ですが,
小青竜湯,麦門冬湯,桔梗湯は単一症状に的を絞ったピンポイント薬です。

 

小青竜湯(しょうせいりゅうとう)

鼻水・鼻詰まりに良く効きます。しかも抗ヒスタミン薬と違って眠くならない。
鼻風邪には最適です。
なお,不眠ぎみの人には抗ヒスタミン薬の副作用(眠気)はむしろありがたいかもしれません。
そういう人は,日中は小青竜湯,寝る前に抗ヒスタミン薬を使い分けるとよいでしょう。

花粉症にも・・・小青竜湯
勘の良い人は「鼻水・鼻詰まりに良く効く」という言葉からピンと来たかもしれませんが,
小青竜湯は風邪だけでなく花粉症にも効きます。
むしろ花粉症(アレルギー性鼻炎)の薬として有名であったりします。


麦門冬湯(ばくもんどうとう)
漢方の咳止めです。
もともと咳というのは,気管・気管支に入った異物を外に出すための反応なので,
「止め過ぎ」は要注意なのですが,咳がひどくて夜も眠れないとか,
咳をし過ぎて胸の筋肉が痛くなるほどであれば,咳止めも必要です。


桔梗湯(ききょうとう)

これは喉が痛い時の切り札。
粉薬ですが,そのままのまず,カップ1杯のお湯に溶いて少し冷まし,
1口ずつゆっくり喉を通すように飲む方が良く効きます。
たいていの喉の痛みはこれでおさまります。

この薬も風邪だけでなく,声を使う仕事をしていて,声が嗄れて喉が痛いような時にも使えます。
痛みが和らいで声が出るようになります。

 

ワンポイントアドバイス
風邪の時はできるだけ外出を控えて部屋で休んでいる方が良いので,
風邪になってから薬を買いに行くより,あらかじめ買い置きしておいて,
その時の症状にあわせて薬を選んで使うと良いでしょう。

 

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